日本政策金融公庫で創業融資申込:自己資金について◆さいたまの税理士がサポート
さいたま市浦和の埼玉創業融資サポートセンターです。
日本政策金融公庫で創業融資を受けたいと思った時「自己資金」というキーワードが必ず出てきます。どういう場合が自己資金として認められるのか、認められないのか。実際にあったお話も含めてお伝えします。
日本政策金融公庫が言う自己資金
自己資金は融資を申込む際の重要なポイントのひとつです。
日本政策金融公庫のホームページには「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」と明記がある一方、公庫が独自に調査した『新規開業実態調査』では「創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で3割程度」という報告もあります。
つまり創業融資を申込む場合希望融資額の3分の1程度は自己資金があったほうが望ましいということです。
これは自己資金になる??
自己資金になるかならないか、いくつか例を挙げていきます。
親からの資金援助
本人の出資額が一番大切ですが、親からの資金援助も「いつかは返さなければならないお金」とみられる可能性があります。
例えば贈与の契約書を取り交わしていれば返す必要のお金になりますので自己資金とみなされるケースもあります。
退職金
創業する方は会社員として働きながら独立を目指す方がたくさんいます。
退職するときにもらえることが明らかであれば退職金は自己資金と見てもらえます。
在庫仕入れ
起業するにあたり商品をすでに購入していた場合、きちんとそれが商売のために必要なものであることを創業計画の中で明確にした場合、自己資金になる可能性はあります。
その際も購入した時の領収証の提示は必要になります。
これは綿密に計画を立て、面談時にきちんと説明をする必要がありますので注意が必要です。
実際、当社のお客様でも認められたケースはあまりありません。
突然の入金
公庫は預金通帳をとても丁寧にチェックします。最低でも6ヶ月は確認します。そこにコツコツと貯蓄をしていれば自己資金です。
しかし、今まで貯蓄がなかったにもかかわらず突然まとまったお金が入金されている場合はそのお金の出どころを明確にできない限り自己資金と認められることは難しいでしょう。つまり「見せ金」と思われてしまいます。
タンス預金
タンス預金と言われている自宅の金庫で現金を貯めている場合も、それを突然預金に入金しても理由を説明できなければ理解してもらえない可能性があります。
例えば奥様が毎日お買い物のお釣りを貯めていた・実は奥様にヘソクリがあったという理由があればもしかしたら公庫も信用してくれるかもしれませんがあまりオススメはしません。
事例:20万の自己資金?
以前ご相談にいらした方で「自己資金は20万くらいです」とおっしゃる方がいました。預金通帳の残高が20万円ということです。
20万円ほどの通帳残高では生活費では?と判断してしまうでしょう。それならば「まとまったお金を用意するので入金をすれば良い?」という質問が返ってきましたが、そのお金の出どころは証明できるのか?と伺いました(先ほど申し上げた見せ金です)。
「でしたら現在のお給料の20万円を5ヶ月使わずに貯めれば自己資金になりませんか?」との問いです。
そうなるとどうやって生活していくのでしょうか?その間の生活費はどこから捻出するのでしょうか?と、そもそもの自己資金の意味から離れていってしまいました。
日本政策金融公庫は預金通帳を6ヶ月ほどチェックします。おかしな出入金がないかのチェックとともに水道光熱費の支払いはされているかなど生活をきちんと送れているのかを確認したりします。
ですから、前述のような付け焼刃のような資金の用意では自己資金として認められることは難しいでしょう。
まとめ
日本政策金融公庫の担当者は審査のプロです。審査のプロを欺こうと思ってもそれは到底無理な話です。
また自己資金が少ない・ないということは起業するためにどれだけ準備をしたのか、努力をしたのか、計画を立ててきたのかを感じ取ることができないと判断されるかもしれません。
また融資を断られた場合、なぜダメだったのか理由は教えてくれませんので、ご自身で自己資金に不安があったのならば理由はそこかもしれません。
やはり少しでも多くのお金を自己資金と示した方が融資を受けられる可能性は高まります。起業の夢に向かって少しでもお金を貯蓄しましょう!
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