「新創業融資制度は」は廃止!そのかわり「新規開業資金」の活用を!
投稿日:2024年10月25日
さいたま市浦和で創業の方を応援しています!埼玉 創業融資サポートセンターです。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は2024年3月で廃止されています。
廃止されたことによって創業者の融資に影響があると不安になるかもしれませんが、制度の廃止とともに「新規開業資金」の制度がより活用しやすくリニューアルされました。
どのように変更されたのか解説をします。
新規開業資金の変更内容とは
日本政策金融公庫の創業者向けの「新創業融資制度」はこの制度単体で利用することはできず、その他の融資制度と併用する融資制度でした。
一番の特徴は無担保無保証人であることだったため、廃止されたことにより創業者の資金調達はハードルがあがるのか?と考えるかもしれません。
その点は「新規開業資金」の変更点を確認すれば解決します。
<無担保・無保証人>
事業を始める方または税務申告を2期終えていない方は、無担保・無保証人で申込ができます。
創業期は資金調達が困難な場合も多く、担保となる資産や保証人を用意する必要がないことは創業期の事業者にとって大きな支援となります。
<返済期間が長期に>
今までの返済期間は設備資金が20年以内、運転資金は7年以内と原則決まっていました。
今回の変更では運転資金の7年以内が10年以内と延長変更され、今までより長期間にわたり返済ができるようになり、無理のないペースで事業を展開することが可能となります。
据置期間については設備資金、運転資金ともに2年以内から5年以内に変更となっています。
<利率一律0.65%引き下げ>
新たに事業を始める方または税務申告を2期終えていない方は、原則として0.65%引下げとなります。雇用の拡大を図る場合は0.9%まで引き下げられます。
開業当初の資金繰りに負担をかけず、事業の安定を図ることができます。
<自己資金要件がない>
自己資金の有無は融資審査のうえで重要なポイントです。
今までは「創業資金総額の10分の1以上」の自己資金を用意する必要がありましたが、今回の変更でその要件がなくなり、自己資金が用意できなくても申込は可能となりました。
しかし、自己資金は審査のうえでも重要な要素のひとつとなりますので、融資成功のためにはしっかりと用意する必要があります。
これまで説明した変更点を以下にまとめました。
創業者の方は利用しやすくなった新規開業資金で資金調達を検討してみてください。
2023年 | 2024年 | |
要件 | 創業時において、創業資金総額の10分の1以上の自己資金があること等 | なし |
融資限度額 | 3,000万円 (うち運転資金1,500万円) |
7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
返済期間 |
設備資金:20年以内 運転資金:7年以内(原則) |
設備資金:20年以内 運転資金:10年以内(原則) |
うち据置期間 |
2年以内 | 5年以内 |
参考:日本政策金融公庫「「スタートアップサポートプラザ」の新設について」より作成
プラスして優遇制度を受けられる人
利用しやすくなった新規開業資金ですが、プラスして特定の人を対象として、条件が優遇された融資制度があります。
<女性、若者/シニア起業家支援>
女性の方、35歳未満の方、55歳以上の方が創業する場合この制度が適用され、特別利率で融資の申込ができます。
<再挑戦支援>
廃業歴等があり、創業に再チャレンジする方の創業を支援する制度です。
返済期間がほかより長期であることも特徴です。ただし、廃業理由や事情、負債状況によりますので、申込前はきちんと確認しましょう。
融資申請のポイント
新規開業資金の要件等変更で申込しやすくなったと思うかもしれませんが、審査を通過しないことには資金調達ができません。
融資審査を通過するポイントもあわせておさえておきましょう。
<自己資金の用意>
自己資金要件がなくなったとは言え、自己資金のある事業者の方が信頼できるのは事実です。
公庫としても自己資金が多ければ、貸し倒れのリスクが低いと判断します。
また、自己資金の存在は、創業者が真剣に事業を進める意思を示すものとも言われています。
<計画の現実性と詳細さ>
計画書では、事業の目的、収益予測、競合調査、市場分析、販売戦略、資金使途、返済計画などを明確に説明することが求められます。
事業計画がいかに現実的か、また数字や根拠が詳細に示されているかが審査のポイントになります。
<個人の信用情報>
融資申請時には、申込者の過去の信用情報も審査の一部となります。
個人のクレジットカードやローンの返済履歴なども影響するため、過去の信用トラブルがないことが望ましいです。
ほかにも、公共料金は税金の支払いの滞納は、信用度を著しく下げます。納めるべきものや生活のための必要資金の支払いもできないことは金銭感覚を疑われますので、審査にも影響を与えるでしょう。
まとめ
拡充された「新規開業資金」について解説をしました。
無担保・無保証人での低金利融資が可能な点が大きなメリットと言えるでしょう。
これから創業融資を考えている方はスタートアップ支援となる「新規開業資金」の概要をきちんと押さえて、事業計画の準備や自己資金の確保など、申請時に求められる要件をしっかりクリアしましょう。それが事業の成功に向けた大きな一歩となります。
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